| 朝、近寄っても動かないカナヘビ発見。 しっぽが切れてる？ 死んでからしばらく経過している模様。事故死とすれば、あのしっぽの切れ具合から見て、猫と遭遇し、一度は分身を残す事で逃げ切った。 かと思ったが、暇な猫の執拗な追跡の結果、隠れる場所までたどり着けず、命を落とした。 死因は、猫の右前足の殴打による内臓破裂。 サスペンスドラマ風の推理だと、こうなるのか？ |
| 地面に這いつくばって、もう少し寄って見ると・・・。 表皮だけになっているらしい、周りにはアリがウロウロしている。 自然界で誕生した生命の、何割が加齢が原因でこの世を去るのか？多くが天敵に捕まり、彼らの血となり肉となる。 人間からは事故死に見えるけど、彼らにとってはそう不自然な死に方ではないのかも知れない。 |
2005/06/08 am08:26 |
| 夜、ライトに照らされた姿は怪獣のよう。 顎が着くほど顔を地面に近づけると、コンクリートがこんなにデコボコしているのに気付く。 人間にとっては、真っ平らに見えるコンクリートもカナヘビにとっては、大きな石がゴロゴロした河原のように感じているのだろう。 目玉の穴の奥に、動くものがある。アリだ。 カナヘビの身体は、アリ達が強力な顎で解体し、巣へ運んでしまったようだ。 |
| カナヘビの身体は、表皮だけを残してトンネルのようになっている。 目や皮の薄い部分に開いた穴から出入りして、食料になる物が残っていないか、探しているようす。 カナヘビは肉食、コオロギや昆虫を食料にする。 とすると、アリは食べないのか？ メインディッシュにはならないけど、箸休めにはなるとか？ |
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| 「天寿を全うする」、人間の場合は加齢による身体の衰えからの自然死を想像する。 事故や災害・事件によるものは、そう表現しない。 弱肉強食の自然界で生きる彼らは、この場合天寿を全うしていないと言うのか？ 自分より小さな昆虫を食べ、自らの身体を作り、死して彼らの糧となる。 天寿を全うするとは、何を指すのだろう？ |
| 数日後の朝、出掛けようとするとまた何かがある。 皮だけになったカナヘビの直ぐ横に残されていた。 大きさからして、この持ち主だったカナヘビはかなり大きい個体らしい。 こうなると、また想像してしまう。 我が子の屍（しかばね）を見ていた親が、再び猫に襲われた。 しかし、経験豊富な親は、胴体を押さえ込まれそうになったのを間一髪かわしたが、敵もさるもの。 返す次の手が、しっぽの根本を押さえ込んだ。 ここで討ち死する訳にはいかん、カナヘビの足が力一杯地面を蹴ると、分身を残して胴体は草むらに消えた。 |
2005/06/19 pm13:45 |
| 猫は、大きく見開いた目を細め、残されたしっぽを右足で数回転がした。 その場を去ろうと振り返った猫の視線の先には、あの屍があった。 憶測はともかくとして、しっぽを良く見るとウロコ状になっているのが分かる。 後ろに向かってトゲが出ているので、反対方向に撫でると指が引っ掛かる。 生き延びた本体は、しばらく不思議な格好に違いない。 どの位の期間で、元の姿になるのか？ |
